「刑事７人」第９話（最終話）感想

東山紀之さん主演の「刑事７人」が９月９日に最終話を迎えてから２日がたちましたが、いいドラマだったなあという余韻が今も心に残っています。
派手なアクションも、絶壁断崖のシーンでの犯人追及も、警察幹部の強い締め付けも（ちょこっとありましたけど（笑））特になく、どちらかというと地味な刑事ドラマでしたが、東山さんの時間にこだわった新たな刑事像が新鮮で、キャスト皆さんの猛暑の中での熱演が光りました。

第９話、派手な事件ではありませんでしたが、よくまとまった脚本でした。上手くまとめられないのですが、このドラマも最終話なので、思いつくままに感想を書いておこうと思います。

◇天樹悠の新たな刑事像が見えた。

・事件に隠された空白の「時間」にこだわって事件を解決に導く天樹悠の真剣な姿。考えたあげく「つながった！」の言葉が一つのポイント。
・刑事としての真摯な姿勢が東山さんにぴったり！！
・死んだ息子の過去を調べることにためらう父親吉岡に対して「僕なら知りたい！なくなる間際まで家族が何を思い何を考えていたか。」←これは天樹悠が妻子を亡くした時の想いと重なりますね。
・「お願いです！もう一度力を貸してもらえませんか。」真剣にお義父さんに頼む天樹悠。
・吉岡父の「どうしてこんなに親身になってくれるんですか？」の問いに「これが僕の仕事ですから。」←刑事のプロ意識。妻子への想いも。
・犯人逮捕後に犯人に投げかけた天樹悠の言葉
　＜吉岡さんが生きるはずだった時間、家族であるお父さんに残された時間、本来あるべき時間を君が奪ったんだ。それがどんなに罪深いことなのか、君は君に残された時間の中で考え償うんだ＞
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天樹の口から出た言葉はやはり「時間」。テーマが一貫しているなと感心しました。これはドラマですけど、犯人は二人を殺害しているので「死刑」は免れないでしょうね。しっかり自分の時間の中で償ってほしいという天樹の言葉が響きます。

被害者にも犯罪者にも心に寄り添って優しい言葉かけのできる天樹悠。
優しさあふれる天樹悠刑事がステキすぎます。
おちゃめで人懐こいけれど、孤独で飄飄とした刑事。ひとたび犯罪に立ち向かうと優れた推理力で一人行動。でもまるで協調性のない男でもなく、胸には常に人への優しさを持つ刑事。こんな優しい心情で向き合う刑事って、最近、ほかのドラマでいましたか？東山さんが新しい刑事像を築いているのではないかと思います。

◇堂本教授の義理の息子への温かい想いが伝わって胸にしみた。

・第９話で一番心に残ったシーンは、実は事件の事ではなく、この堂本教授の義理の息子・天樹への温かい想い。
前のブログでも書いているので割愛しますが、教授の「悠（ゆう）」と呼ぶ声が優しすぎ。慈愛に満ちた声なのです。天樹がまた何とも言えず可愛いのです。「ちょっと待って、ゆう～」とレシピを渡す堂本教授。最後の電話でのやり取りにも、じーーんときました。ステキなシーンでした。妻子を亡くした義理の息子を１０年間少しでも前向きになればと、励まし見守ってきてくれていたんですね。いつまでも悲しさの抜けない息子でしたけど、どうやら立ち直れそうです。

◇係長と４人の刑事の結束が嬉しかった。

＜片桐係長＞
・最初は杉並南署からの抗議電話に「今度一切、勝手な真似はさせませんから」と言いながら、
天樹の過去をメンバーに話した後「おい、天樹、気が済むまで勝手にやれ！！」とげきを飛ばす係長。←カッコイイ！
＜沙村、永沢、水田、＆山下＞・・・天樹の過去を知ってから
・「お前ひとりにすると何をしでかすかわからないからな。」「その代わり後でギンギンに冷えたビールおごってね。」など、刑事４人でさっそうと歩く姿がカッコイイこと。こういう姿を観たかったんですよ～
・いつも鑑識でこもっていた山下が外に出て作業員に。こんな姿が見られたのは最終回ならではか。缶コーヒーを見事にゲット。
・メンバーがようやく結束し、協力して捜査に当たり、チームが一つになっていきました。

◇止まった時間＝壊れた時計、天樹悠の心情を思うと何とも切ない。

・天樹悠が止まっている時計をいつもはめていたのは、娘さんが父の誕生日にプレゼントとして買った時計。娘さんが亡くなった時、手に握りしめていた時計だったのですね。大事な大事な思いのこもった時計。
最終話では、なぜ亡くなったのかは明かされませんでしたが、天樹悠はこの時計を修理に出そうと決意します。ようやく止まった１０年から前に進もうと歩き出した天樹悠。

素敵な終わり方でした。
そして新たな天樹悠の刑事の姿をまた見たいと強く思いました。

東山紀之さん、刑事７人の素敵なキャストの皆さま、スタッフの皆さま
この暑い夏に、素敵なドラマでいつも癒してくださって、ありがとうございました。